今回は、2019年に本屋大賞に選ばれ、現在映画が公開中の『そして、バトンを渡された』の小説を読んだ、感想記事です。
読んだ後に、これは読めてよかった!と思えた一冊でしたので、ぜひまだ読んでいない方はこちらの記事をぜひご覧ください!
あまりネタバレしないように、かつ魅力が伝わるように書きましたので、読もうか迷っている方の参考にもなると思います。
また、映画化もされたので、そのちょっとした予習にもぜひどうぞ~!
夏休みの読書感想文の宿題の参考にもぜひどうぞ!
あらすじ
4回も苗字が変わり、父親が3人、母親が2人いるという波乱の人生を歩む少女、優子の物語。
いわゆる複雑な家庭の中で成長していく優子とその家族の愛がこの物語の中心となっている。
ここだけ聞くと、「複雑すぎる家庭の中で、どのように苦しみながら生きていくのか」という話だと想像すると思うが、実は悩みがないことが優子の一番の悩みなのである。
なぜ優子はこんな奇妙な人生を送ってきたのにも関わらず、悩みがないのだろうか。
小学生から高校生まで、どのようにして過ごしてきたのか。
家族の愛と隠された真実とは何なのか。
そんな気になることが、読み進めていくと少しずつ自分の中にすっと入ってくる。
気がつくと読み進める手が止まらなくなって、じわじわと優子やその家族の魅力を感じることができる。
そして読み終わったときに、自分の家族や大切な人との関わりを大切にしていきたいと思える、そんな一冊なのである。
大切な人を大切にすること、そしてそれが当たり前ではないことに気づかせてくれるこの一冊を読むことで、あなたも身近な大切な人のこと思い浮かべる事になることは間違いないでしょう。
読書感想文~読み終えて感じたこと~
ここからは、私が読んだ感想をお届けします。
引き続き、ネタバレはしないようにしています。
読書感想文チックになっています。
気づいたら夢中になって読んでいた。
少し前に話題になっていたので、気になって買ったがすぐに読み終わってしまうほど、
どんどんと読みたくなる物語だった。
「読みたくなる」というよりは気がついたら読みすすめてしまっていたという表現の方が、なんとなくあっている感じがする。
離婚や死別などで父親が3人、母親が2人という変わった経歴を持つ少女が主人公の物語。
ここだけ聞くと、その設定を中心とした奇妙な話が展開されると思うが、
内容は、家族の愛に触れられる、素敵であたたかい気持ちになれる話だった。
人が人を愛して、心から大切にするということがどういうことなのかを感じることができた。
登場する人物はどの人物も非常に特徴的で素敵な人ばかりではあったが、
私が一番好きな人物は3人目の父親「森宮さん」だ。
30代でありながら急に女子高生の父親になるという覚悟のいる選択をしたのにも関わらず、
その境遇を心から幸せに思い、娘の優子のことを心の底から大事に思っている様が常に表れていた。
いわゆる天然な部分が多いからこそ、その覚悟と愛の大きさが「不思議な表現」として表れるのが、
また心くすぐられるポイントだ。
「裏表なく素直に感情を行動や言葉にできる人」というのは非常に魅力的であると感じた。
そんなところが、主人公の優子にとっては父親であること以上に
「森宮さん」としてかけがえのない存在になっていったのだと思う。
この物語を読むと、
「実は自分が気がつかなかったところで、いろんな人が自分のことを大切に思っていてくれていたのかな」
と考えさせられる。
優子も非常に魅力的な人物であった。
優子は人が自分に向けてくる感情をしっかりと感じ取れる子であると感じる。
主観的ではなく、人が自分に向ける感情をそのものとして受け入れ、
それを気も留めなかったり、揺らいだりする。
誰かが自分に対して持った感情をまず受け止める。
これはとても難しいことだと思うが、とても大事なことだと思う。
きっと多くの人からたくさんの愛情をしっかりと受け取ってきたから、
そういったことが身についているのかなとも思った。
普通だったら、悲劇のヒロインでいられるその人生を、
ありがたいと感じ、しっかりと生きている強さと、
周りの人が自分を大事に思う気持ちに気づける優しさは、
読んでいる者の気持ちをあたたかくする要因だと思う。
最後のシーンでは、飛行機の中で普通に泣いてしまった。
※空港で買って、飛行機の中で読んでいました。
読めてよかった。素敵な一冊でした。
映画ではどんな感じになっているか気になるところなので、
映画も観てみようと思います。
とはいいつつ、小説ならではの良さは確実にありますので、
ぜひ一度手にとって読んで見てください。
断固として紙派でしたが、
めっきり小説は電子書籍で読むことが多くなりました。
kindleは↑ hontoは↓
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